よくある質問

Q1 .

Originator Profile (OP) 技術とは何ですか?

Originator Profile (OP) 技術とは、インターネット上の情報(コンテンツ)の作成者・発信者を、ユーザーが確認するためのデジタル技術です。コンテンツにおけるファクトではなく、コンテンツ作成者・発信者が誰か、また、作成者・発信者の企業姿勢、編集方針、報道責任、ポリシーなどの情報について、第三者機関による認証を経て識別子が付与されるものです。 ユーザーにとっては、コンテンツ作成者・発信者の確認が容易になるばかりでなく、情報が改ざんされていないことも確認できることなどから、偽・誤情報が判別しやすくなります。これにより、偽・誤情報やアドフラウドなどの氾濫が抑止される可能性が高まります。透明性をもって様々なステークホルダーがOP技術を利用する仕組みを整備できれば、ネット空間の健全性が保たれ、公益性を高めることにもつながると考えています。
Q2 .

なぜOP技術が必要なのですか?

情報技術の進歩は私たちの社会に様々な恩恵をもたらしました。IT技術は、社会に利益をもたらす一方で、フェイクニュースなど有害な虚偽情報の拡散を許し、信頼できる情報を見つけにくくなったり、真実そのものが揺らいだりしています。 原因の一つに、インターネット広告を掲載するため、情報の正確性や信頼性を気にすることなく、偽・誤情報もいとわず耳目を集めることを目的とした、いわゆる「アテンション・エコノミー」が横行していることがあります。 選挙や災害時の情報に偽・誤情報が入り込むことは、民主主義や生活の安全にも大きな影響を及ぼす可能性があり、負の側面が大きな社会問題となっています。 これら負の側面を解消し、ネット空間の健全性を高めるためには、OP技術のような新しいIT技術が必要だと、私たちは考えています。
Q3 .

OP技術が利用する「第三者認証」とはどのようなものですか?

OP技術は、ネット空間のコンテンツにおけるファクトを判断するものではなく、コンテンツの作成者・発信者を明確にし、その信頼性等を示す技術です。そのためには、「誰であるか」「信頼性があるのか」を担保する仕組みが必要です。 そこで、第三者機関による認証を取り入れます。 例えば、加盟のために、一定のルールを守っていたり、条件をクリアしたりしていることが必要となる業界団体に、「間違いなく加盟企業である」「コンテンツの作成において一定のポリシーを持ち、ガバナンスを確保している」などといった点を確認、認証してもらうことにより、コンテンツの作成者・発信者について、信頼性まで含めてユーザーに明確に示されることとなります。 組合では、一定のポリシーを持つ業界団体や認証機構などに協力を呼びかけています。
Q4 .

OPは誰が何のために使うものですか?

OPは、Web上のコンテンツが、誰が責任をもって作成し、発信したものなのかを、エンドユーザーが明確に知るための技術です。情報の作成者・発信者を確認できることで、ユーザーは偽・誤情報かどうかを判断しやすくなります。
Q5 .

OPはどのような分野で使うものですか?

報道機関/メディアが発信するニュースや、企業による広告、行政機関などによる情報などが想定されています。医療情報や金融情報、災害に関する公的な発表など、偽・誤情報が出回りやすい分野でも活用が期待されます。
Q6 .

OPはどのような技術を用いて実装されていますか?

OPは、①コンテンツの作成者・発信者に誤りがなく、内容の改竄がされていないこと、②信頼性のある責任ある発信を行うポリシーやガバナンスを持っていること、などの情報をエンドユーザーに示すため、信頼できる第三者によって発行された証明書や資格情報を示す Verifiable Credentials(VC)技術など、最新の技術を応用して実装しています。システムアーキテクチャーは原則として、クライアント・サーバーモデルを採用しており、ブロックチェーン技術は利用していません。
Q7 .

OPはファクトチェックを行うものですか?

OPは、コンテンツの作成者・発信者を明確にすることで、ユーザーが偽・誤情報の判断をしやすくするための技術であり、ファクトチェックを行う技術ではありません。
Q8 .

OPはなぜファクトチェック機能を提供しないのですか?

OPは、コンテンツが責任をもった企業等によって出されたものかを証明します。 ニュース等の内容の正誤を判定するファクトチェックとは別の方法ですが、ユーザーはコンテンツを信頼できるか、判断しやすくなります。また、マンガやアートなど、ファクトチェックに適さないコンテンツについても、OP技術は改ざんされていないことや、作成者・発信者の真正性を証明するものとなります。
Q9 .

OPとファクトチェックは共存できますか?

共存できます。共存することにより、よりコンテンツの信頼性が高まっていきます。
Q10 .

OPは他の来歴管理技術と何が異なりますか?

通常、報道機関などは、個別の記事や画像等の来歴を把握したうえで、記事等を配信しています。来歴管理技術は、こういった要請を踏まえ、情報がどう作成、編集されたかを記録・管理する技術であり、主に報道機関で利用されます。一方、OP技術はニュース記事等を作成・発信した主体を明確にする技術であり、エンドユーザーによる検証の実現を目指しています。
Q11 .

OPが他の来歴管理技術より優れていることは何ですか?

コンテンツの来歴確認をエンドユーザーが行うためには、報道機関のワークフロー全般に来歴管理技術が適用され、なおかつ、エンドユーザーと共有可能な認証システムを要する等、大きな労力が必要となります。OP技術は、エンドユーザーによる検証を想定して開発されており、よりシンプルに情報発信者とそのコンテンツの真正性を判断する材料の提供を可能とします。
Q12 .

OPは他の来歴管理技術と共存できますか?

OP技術と来歴管理技術が共存することにより、偽・誤情報やなりすましへの対策が加速すると期待されます。報道機関などのコンテンツ作成者・発信者は、来歴管理技術によって写真や記事等の来歴を確認した上で、ニュースの作成を行い、また、ニュースを発信する際には、OP技術によってエンドユーザーに自身を明示することで、エンドユーザーの安心感は高まるものと考えます。
Q13 .

OPはいつ頃どのように使えるようになりますか?

実証実験を経て、2025~26年には一部で利用されるようになることを目指しています。
Q14 .

OPは日本だけで使えるものですか?

インターネット上の情報の健全化は世界共通の課題であり、世界共通で利用できるよう、国際標準化を目指しています。
Q15 .

OPを作っているのは誰ですか?

OPは、「オリジネーター・プロファイル技術研究組合(OPCIP)」が開発しています。組合には、慶應義塾大学サイバー文明研究センターを中心に、新聞社やテレビ局、広告会社やIT企業、通信企業などが幅広く参加しています。OP技術の実証実験を行いながら、技術規格の国際標準化を目指しています。
Q16 .

OPはどのような組織で運用されますか?

OP技術研究組合は技術の開発を行う団体です。社会実装後は、OP憲章の下に、公正な運用を行う団体を設置して、この団体による運用を想定しています。
Q17 .

OPの標準化はどのように進められますか?

OP技術研究組合が主導的な立場をとり、Web 技術の標準化団体である W3C(World Wide Web Consortium)、IETF(Internet Engineering Task Force)などに仕様を提案し、国際標準化に向けても積極的に取り組んでいます。